魚道を考える
魚道を考える
河川の堰堤には、必ずといっていいほど魚道が作られている。漁協の要請や河川資源保護の観点に基づいて作られたものであろうが、単に作ってあるだけで機能していないものが多い。
- 水が流れていない魚道
台風などでの河川の増水で、魚道が大石で詰まっていて、水が流れていないところがある。
作ればいいというものではない。魚道も補修、清掃というメンテナンスが必要なのであるが、現状は放置されていて、まさにお役所仕事の典型である。
逆を言えば、魚道が機能しなくなっても、誰もクレームを上げる人がいないようなか弱い存在でしかない。
- 魚が見つけられない魚道
河川を遡上する魚達は、不満に感じているはずだ。
「どこを遡れば、川の上流に行けるんだ?。どこなんだー、誰か教えてくれーっ」と、叫んでいるのが聞こえてくる。
あなたが、知らない土地を車で移動する時は、幹線道路を行くでしょう?。わざわざ人家のない、山越えの細い山道を選びますか?。答えは「ノー」ですね。
理由は、行き止まりになっていたら、迷ったら困るからです。
魚も同じです。豊かな水量の流れを選びながら、流れを遡っていきます。
ところが、現在作られている河川の魚道は、この魚の習性を十分配慮して作られていません。
遡上してきた魚は魚道が見つけられずに堰堤で行き止まってしまいます。
少ない流れの先や、流れの脇に堰堤を作っても遡上する魚には分かりません。
だって、魚は水の中しか見えないので、人間のように地上の構造物が分からないからです。
従って魚道は、この魚の習性を十分配慮して、豊かな水量の流れの先に作ってあげる必要があります。
- 魚が遡れない魚道
また、運良く魚道に入り込めたとしても、魚が上れないような魚道であれば、魚道の役目が果たせません。
川を遡るのは成魚だけてはなく、当然稚魚も遡ります。流れが急過ぎると、稚魚は遡れません。
堰堤を上りきるまでに、一休みする場所を作ってあげるとか、色々考えてやらないと魚は堰堤を遡れないのです。
- 担当省庁の方へ
日本は資源のない国と言われています。でも周りを海に囲まれているので、水産資源には恵まれています。
そして川は、その水産資源を育むのに一役担っています。
海に下って成長する鮭や鮎、うなぎ、アマゴ等の降海型の魚の遡上を、もっと増やすためにも魚が遡れる堰堤に改造して頂きたいと願っております。
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